不成就日は恋愛の中では気にしなくていい?縁起を気にする心理

不成就日という言葉を聞いたことがありますか。何をやっても成就しない、物事がうまく運ばない日とされる、昔から伝わる暦の上での凶日のひとつです。結婚式や契約事、新しいことを始める日としては避けた方がいいと言われていて、今でも気にする人は少なくありません。

でも正直なところ、この不成就日って、気にし始めるとキリがないんですよね。月に数回はやってくるし、大安や仏滅といった六曜と組み合わせて考え始めたら、もう頭がパンクしてしまいそうになります。何か大事な予定を立てようとするたびに、カレンダーとにらめっこして、あれこれ調べて、結局どの日を選べばいいのか分からなくなってしまう。そんな経験、あなたにもありませんか。

私自身、恋愛の中でこの不成就日に翻弄された時期がありました。今思えば笑い話なんですけど、当時は本気で悩んでいたんです。付き合っていた相手と、前々から楽しみにしていたデートの計画がことごとく流れてしまった時期があって。最初は単なる偶然だと思っていたんですけどね。

一回目は急な雨でキャンセル。二回目は彼の仕事が入ってしまって延期。三回目は私自身が体調を崩してしまって、また日を改めることになりました。三度目の正直でようやく実現するかと思いきや、四回目も彼の方にトラブルが発生して会えずじまい。

さすがに「なんでこんなにタイミングが合わないんだろう」と不思議に思って、ふとカレンダーを見返してみたんです。そしたら気づいてしまったんですよね。計画していた日が全部、不成就日だったことに。

それまで不成就日なんてほとんど気にしたことがなかったのに、その発見をしてからというもの、どうしても意識せずにはいられなくなってしまいました。次のデートを決める時も、まずカレンダーで不成就日じゃない日を確認してから提案するようになって。友達との約束でさえ、「この日って不成就日かな」と気になり始めてしまったんです。

でも、そうやって避けていた日々の中で、私は大切なことを見失っていました。彼との関係において本当に必要なのは、縁起のいい日を選ぶことではなく、お互いの気持ちを大切にして、しっかりコミュニケーションを取ることだったんです。

ある時、どうしても話し合いたいことがあって、彼に「今度の週末、時間作れないかな」と連絡したんです。彼からは「大丈夫だよ」と返事が来て、やっと二人でゆっくり話せる時間ができました。でも待ち合わせの前日、ふと気づいたんですよね。その日が不成就日だということに。

正直、迷いました。延期した方がいいかなって。でも、ここまで何度も予定が流れてきたし、これ以上先延ばしにするのも変だし、もういいやって思ったんです。むしろ意地になっていたかもしれません。不成就日だからって、何もかもうまくいかないなんてことがあるわけない、って自分に言い聞かせて。

当日、私たちは予定通り会いました。でも、話し始めてすぐに雰囲気がおかしくなってしまったんです。私が伝えたかったことが、うまく言葉にならなくて。彼も何か言いたそうにしているんだけど、お互いの言葉が噛み合わなくて。結局、ちょっとした誤解から大きな喧嘩になってしまいました。

その場では解決できず、お互いモヤモヤした気持ちのまま別れました。帰り道、私は泣きながら歩いていたんです。「やっぱり不成就日だったからかな」「あの日を避けていればよかったのかな」って、何度も何度も考えました。

でも翌日、親しい友人にこの出来事を話したら、彼女はこう言ったんです。「確かに縁起は気になるよね。でも、日付のせいにするのってなんかもったいなくない?大事なのは、いつ話すかじゃなくて、どう話すかなんじゃないかな」って。

その言葉が、すごく心に刺さりました。友人は笑いながら続けました。「だってさ、不成就日じゃない日だったら、あの喧嘩は起きなかったって本当に言える?話の準備とか、タイミングとか、もっと大事なことがあったんじゃない?」

ハッとしました。確かに、あの日うまくいかなかったのは、カレンダーのせいじゃなかったんです。私自身、何を伝えたいのか頭の中で整理できていなかったし、彼の気持ちや状況を十分に考えずに、自分の言いたいことだけをぶつけてしまっていました。コミュニケーションの問題だったんです。準備不足だったんです。

それに気づいてから、私は彼にもう一度連絡を取りました。今度は不成就日かどうかなんて気にせず、お互いの都合がいい日を選んで。そして会う前に、自分の気持ちをノートに書き出して整理しました。何を伝えたいのか、何を聞きたいのか、彼の立場だったらどう感じるのか。そんなことを考えながら。

その話し合いは、前回とは全然違う雰囲気でした。お互いの気持ちをちゃんと伝え合えたし、誤解も解けたし、これからどうしていきたいかも共有できました。帰り道、心が軽くなっているのを感じて、思わず空を見上げたことを今でも覚えています。

この経験を通して、私は暦や縁起との付き合い方について、深く考えるようになりました。不成就日を含めた様々な吉凶日って、確かに先人の知恵が詰まった一つの指針なんですよね。長い歴史の中で、人々が観察してきた自然のリズムや、社会の流れを反映しているのかもしれません。

だから、それを完全に無視する必要はないと思うんです。大切な決断をする時、少し立ち止まって考える機会を与えてくれるという意味では、価値があると言えるでしょう。結婚式や新しい事業を始める日を決める時、カレンダーを確認することで「本当に今がその時なのか」と自分に問いかけることができます。

でも同時に、縁起に振り回されすぎて、本当に大切なものを見失ってはいけないんですよね。不成就日だから、仏滅だからといって、全ての行動を制限してしまったら、人生のチャンスを逃してしまうかもしれません。

実は、私の友人に面白い体験をした人がいるんです。彼女は結婚式の日取りを決める時、家族から「この日は不成就日と仏滅が重なっているから避けた方がいい」と強く言われたそうです。でも、彼女とパートナーにとって、その日は二人が初めて出会った記念日だったんですね。

散々悩んだ末、二人は「自分たちにとって一番意味のある日に結婚式を挙げたい」と決めました。家族を説得するのは大変だったそうですが、最終的には理解してもらえて。そして当日、式はとても素晴らしいものになったそうです。雨が降る予報だったのに晴れたし、ゲストの皆さんも心から祝福してくれたし、何のトラブルもなく無事に終わりました。

彼女は後から私にこう言っていました。「不成就日とか気にする人もいるけど、結局は自分たちがどう思うかなんだよね。私たちにとって最高の日だったし、今でも結婚記念日はあの日で本当によかったって思ってる」って。

この話を聞いた時、私は改めて思ったんです。縁起や暦というのは、あくまでも一つの参考情報であって、それが全てを決めるわけじゃないんだって。もちろん、気にする人がいてもいいし、それで安心できるなら従う価値はあります。でも、それに縛られて自分の人生の選択を制限してしまうのは、もったいないことかもしれません。

恋愛においても同じことが言えると思います。好きな人とのデートの日を決める時、不成就日を避けるのもいいでしょう。でも、もしその日しかお互いの予定が合わないなら、無理に変える必要はないんじゃないでしょうか。大切なのは、どんな日であれ、相手との時間を大切にして、お互いを思いやる気持ちを持つこと。

告白やプロポーズの日だって同じです。縁起のいい日を選んで準備万端で臨むのも素敵だけど、ふとした瞬間に自然と言葉が出てくる、そんな告白だって素晴らしいものです。むしろ、計算され尽くした完璧な日よりも、不完全だけど心からの気持ちが溢れた瞬間の方が、相手の心に届くこともあるんですよね。

私が今の夫と付き合い始めたきっかけも、実は全く計画していなかった瞬間でした。友人たちとの飲み会の帰り道、たまたま二人きりになって、なんとなくいい雰囲気になって。彼が「実は前から気になってたんだ」と言ってくれた時、私も素直に自分の気持ちを伝えました。後から思い返せば、あの日が不成就日だったのか吉日だったのか、確認したこともありません。でも、それで何の問題もなかったんです。

むしろ、あの時もし「今日は縁起が悪いから」なんて考えて気持ちを伝えるのをためらっていたら、私たちの関係は今とは違うものになっていたかもしれません。タイミングって、カレンダーが教えてくれるものじゃなくて、心が感じるものなんだなって、今では思います。

とはいえ、縁起を気にする心理も理解できます。特に人生の大きな節目や、失敗したくない大切な場面では、少しでも成功の確率を上げたいと思うのは自然なことです。神頼みではないけれど、何か自分を後押ししてくれるものがほしくなる。その気持ち、すごくよく分かります。

私自身、大事な仕事のプレゼンの前とかは、今でもちょっとだけカレンダーを確認することがあります。「今日は大安だ、よし頑張ろう」って自分を励ますための材料にするんです。でも、もし不成就日だったとしても、それで諦めたりはしません。「まあ、気合い入れていけばなんとかなるでしょ」って思い直して、準備をしっかりします。

結局、縁起というのは、自分の心を整えるための道具として使えばいいんじゃないでしょうか。吉日だから大丈夫と安心材料にするのもよし、凶日だからこそ気を引き締めて慎重に行動するのもよし。要は、自分がどう受け取るか、どう活用するかなんだと思います。

それに、考えてみれば、昔の人たちが暦を作った時代と今では、生活のリズムも環境も全く違いますよね。農業が中心だった時代の知恵が、現代の都市生活にそのまま当てはまるとは限りません。もちろん、長く受け継がれてきた文化や伝統には敬意を払うべきですが、盲目的に従う必要もないでしょう。

私が大切にしたいと思っているのは、バランス感覚です。縁起を気にする心と、合理的に考える心。伝統を尊重する気持ちと、自分らしく生きる姿勢。そのどちらも否定せず、状況に応じて柔軟に使い分けていく。そんな付き合い方が、一番健全なんじゃないかって。

例えば、結婚式の日取りを決める時、家族や親戚の中に縁起を重視する人がいるなら、できるだけその意見も尊重した方が後々の関係がスムーズにいくでしょう。でも、どうしてもその日にこだわりたい理由があるなら、丁寧に説明して理解を求めることも大切です。全てを縁起に合わせる必要はないけれど、周りの人の気持ちを無視するのも違う。そのバランスを取ることが、大人としての対応なのかなと思います。

恋愛においても同じで、もし相手が縁起を気にするタイプなら、その価値観を尊重してあげることも愛情表現の一つですよね。逆に、相手が全く気にしないタイプなのに、自分だけが過度に気にして不安になっているなら、その気持ちを素直に伝えてみるのもいいかもしれません。「実は私、こういうの気になっちゃうタイプなんだよね」って正直に話せば、相手も理解してくれるはずです。

そうやってお互いの価値観を共有していくことが、二人の関係を深めていくことにもつながります。不成就日をきっかけに、「あなたはこういうこと気にする?」「私は昔からこう教わってきたんだけど」なんて会話が生まれるのも、面白いものです。