「また浮気されたかも…」
スマホの画面に映る彼女のマッチングアプリの通知。あなたはこんな経験をしたことがありますか?あるいは、「なぜ自分はいつも浮気してしまうんだろう…」と自問自答した経験はないでしょうか?
私はこれまで恋愛カウンセラーとして多くのカップルの相談を受けてきましたが、浮気の問題ほど根深く、そして普遍的な悩みはないと感じています。特にデジタル時代の今、マッチングアプリやSNSの普及により、「浮気のハードル」は驚くほど下がっているのが現実です。
今回は「浮気を繰り返す人の心理」について、実際の体験談を交えながら深掘りしていきます。浮気する側、される側、どちらの立場の方にも役立つ内容になっていますので、ぜひ最後までお読みいただければと思います。
浮気癖はなぜ治らないのか?その深層心理を紐解く
「一度だけならまだ理解できるけど、なぜ何度も浮気するの?」
これは多くの人が抱く素朴な疑問です。確かに、一度浮気して関係が壊れる痛みを経験したなら、二度としたくないと思うのが自然ではないでしょうか。では、なぜ一部の人は浮気を繰り返してしまうのでしょうか?
その答えは、表面的な「誘惑に負けた」という説明よりも、もっと深いところにあります。心理的なメカニズムを理解することで、この問題への新たな視点が得られるかもしれません。
承認欲求という名の渇き
「スマホを開くと、5人の男性からメッセージが届いていて。正直、すごく気分が上がるんです。彼氏からはもう『かわいい』なんて言われなくなったけど、マッチングアプリの相手は私のことを『素敵』『魅力的』って言ってくれる。その言葉が、薬みたいになってるのかも…」
これは30代前半の女性、茉莉(仮名)さんの言葉です。彼女のように、多くの浮気を繰り返す人の根底には強い「承認欲求」があります。承認欲求とは、他者から認められたい、価値を認めてもらいたいという願望のこと。誰もが持っている基本的な心理ですが、この欲求が強すぎると、一人のパートナーからの愛情だけでは満たされなくなってしまうのです。
特に注目すべきは、長期的な関係になると必然的に起こる「慣れ」の問題。交際初期に頻繁に交わされていた愛情表現や賛辞は、時間とともに減少していきます。これは悪い変化ではなく、関係が成熟する自然なプロセスですが、強い承認欲求を持つ人にとっては、「愛されていない」「価値を見出されていない」という不安を引き起こすきっかけになりがちです。
そして、マッチングアプリやSNSは、この承認欲求を簡単に満たしてくれる手段となります。「いいね」の数、マッチングの通知、甘いメッセージ…これらは即時的な満足をもたらし、「自分は魅力的で価値がある」という感覚を一時的に回復させるのです。
恋愛依存:初期のドキドキを追い求めて
「新しい人と知り合うときの、あのドキドキが忘れられないんです。お互いのことを知っていく過程、初めて手を繋ぐとき、初めてのキス…。長く付き合うと、そういう興奮がなくなってしまう。だから、また新しい人を…」
20代後半の健太(仮名)さんは、こう語ります。彼のように、恋愛の「初期段階」に特有の高揚感に依存してしまう人も少なくありません。
恋愛の初期には、脳内で「ドーパミン」と呼ばれる神経伝達物質が大量に分泌されます。これは「報酬系」と呼ばれる脳の仕組みに関与し、快感や幸福感をもたらす物質です。ドーパミンは新奇性(新しさ)に反応しやすいため、新しい恋愛関係では活発に分泌されるのです。
しかし、関係が安定してくると、このドーパミンの分泌量は自然と減少します。代わりに「オキシトシン」と呼ばれる、絆や信頼を深める神経伝達物質が重要になってきます。この変化は、情熱的な恋から穏やかな愛へと移行する自然なプロセスなのですが、「恋愛依存」の傾向がある人にとっては、この変化が「愛が冷めた」と感じられてしまうのです。
そして、再びあの「ドキドキ」を求めて、新しい相手を探してしまう…。これが「恋愛依存」と浮気の密接な関係です。
罪悪感の薄さ:心の防衛機制
「最初は罪悪感があったんです。でも『これは単なる遊びで、本命は夫だから』と思うようにしたら、不思議と気が楽になって…」
既婚者の佐々木さん(仮名・40代女性)のこの言葉は、浮気を繰り返す人に見られる「認知の歪み」を表しています。浮気をする人は必ずしも「悪い人」ではありません。むしろ、普通の倫理観や道徳心を持っていることも多いのです。
それなのに浮気を続けられるのは、「合理化」や「正当化」という心の防衛機制が働いているから。「これは浮気じゃなく、友達付き合い」「パートナーも本当は気づいているけど、黙認している」「男女の本能だから仕方ない」など、様々な理由づけで罪悪感を和らげているのです。
この防衛機制は一時的には心の安定をもたらしますが、長期的には自分自身の価値観と行動の乖離を生み、内面的な葛藤を深めてしまいます。そして、その葛藤から目を背けるためにさらに浮気を続ける…という悪循環に陥りやすいのです。
デジタル時代が加速させる浮気の現実
現代社会、特にスマートフォンとマッチングアプリの普及は、浮気の形態を大きく変えました。かつての浮気は物理的な出会いが必要でしたが、今やスワイプ一つで新しい出会いが生まれる時代です。この変化が浮気にどのような影響を与えているのか、実例を通して見ていきましょう。
ケーススタディ1:既婚者のダブルライフ
美香さん(仮名・36歳)は、10年の結婚生活の中で3人の子どもを育てる主婦です。彼女が初めてマッチングアプリを使ったのは、末っ子が1歳になった頃でした。
「毎日の育児と家事に追われて、いつの間にか『女性』としての自分を忘れていたんです。夫は仕事が忙しく、私のことを『母親』としか見ていない気がして…。最初はただ、誰かと大人の会話がしたかっただけなんです」
彼女はプロフィールに「既婚者、友達探し」と正直に書き、自分の状況を理解してくれる人を探していました。
「最初にメッセージをくれた人とはただのチャット友達でした。でも、2人目の人とはカフェで会うようになって…。彼は私の話を本当に聞いてくれて、『美香さんは魅力的だ』って言ってくれたんです。その言葉が、渇いた私の心に染みわたって…」
現在、美香さんは3人の男性と関係を持っています。夫との生活は変わらず続け、表向きは完璧な妻・母親を演じながら、週に1〜2回「友達と会う」と言って家を出ます。
「罪悪感はありますよ、もちろん。でも、これがなければ私は潰れてしまうと思う。この『秘密の時間』が、日常を乗り切る活力になっているんです」
美香さんのケースは、「自分の存在価値の確認」や「現実逃避」としての浮気の側面を示しています。長年のパートナーシップで失われがちな「個としての承認」を、別の関係性で補おうとする心理が見て取れます。
ケーススタディ2:彼氏がいても新しい出会いを求める
咲良さん(仮名・25歳)は、3年付き合っている彼氏がいながら、マッチングアプリで新しい出会いを探しています。
「彼とは安定した関係なんです。将来の結婚も考えているし、彼自身は悪い人じゃない。でも、何かが足りないんです。マンネリというか、刺激がないというか…」
彼女はPairs(ペアーズ)で出会った男性と、月に2〜3回会っています。
「マッチングアプリで知り合う男性には、『彼氏はいるけど、刺激が欲しい』って正直に言ってます。みんな最初は驚くけど、『俺は本命になれるよ』って言ってくれる人も多くて…。でも私は彼氏と別れる気はないんです。ただ、違う男性と過ごす時間も欲しいだけ」
興味深いことに、咲良さんは自分の行動を「浮気」とは認識していません。
「浮気って言葉に、何か暗いイメージがあるじゃないですか。でも私がしていることは、もっと前向きなこと。人生を豊かにする選択肢の一つだと思っていて…。『複数の関係を同時に楽しむ』って表現の方がしっくりくるんです」
咲良さんのケースからは、従来の「一対一の排他的関係」という恋愛観に変化が生じていることがうかがえます。これは単なる「浮気の正当化」なのか、それとも新しい関係性の形なのか、議論の余地があるところでしょう。
ケーススタディ3:次々と相手を変える「連続浮気型」
涼太さん(仮名・28歳)は、付き合う女性を3〜4ヶ月ごとに変えています。
「長続きしないんです。最初は『この人は特別だ』と思うんだけど、すぐに飽きてしまう。そうすると、もう会話も楽しくないし、一緒にいても退屈で…。そんな時にマッチングアプリを開くと、また新しい可能性が広がっているんです」
彼の場合、同時に複数の女性と関係を持つわけではなく、一人と付き合っている間に次の相手を探し、「乗り換え」を繰り返すパターンです。
「完全に別れてから次の人と付き合えばいいんでしょうけど、そうすると『一人の時間』が耐えられなくて…。だから必ず、次の人が決まってから今の彼女と別れるんです」
涼太さんの背景には、強い「見捨てられ不安」があります。幼少期に両親が離婚し、母親に育てられましたが、母親も仕事が忙しく、一人で過ごす時間が長かったと言います。
「誰かに愛されていないと、自分の存在価値がないような気がするんです。でも、誰かと深く関わると、必ず相手の欠点が見えてきて、『この人じゃない』と思ってしまう…」
彼のケースは、「愛着スタイル」と呼ばれる心理学的概念と関連しています。幼少期の養育環境が、大人になってからの対人関係パターンに影響を与えるという理論です。涼太さんの場合、「不安型愛着」と「回避型愛着」が混在した「恐れ型愛着」の特徴が見られます。親密さを求めながらも、深い関係を恐れるという矛盾した心理状態です。
浮気癖の根底にある心理的メカニズム
ここまで3つのケースを見てきましたが、浮気を繰り返す人の心理には、いくつかの共通するパターンがあることがわかります。その根本的な要因について、さらに掘り下げてみましょう。
自己肯定感の低さ:外部からの承認で埋める空洞
「自分に自信が持てないから、誰かに『あなたは素敵』と言ってもらうことで、やっと自分の価値を感じられる」
この言葉は、浮気カウンセリングを受けていた40代男性のものです。自己肯定感の低さは、浮気行為の大きな要因の一つとなります。
自己肯定感とは、「自分には価値がある」「自分はこのままでいい」という感覚のこと。理想的には、この感覚は自分の内側から湧き上がるものですが、自己肯定感が低い人は、常に外部からの承認や評価を求めてしまいます。
一人のパートナーからの愛情だけでは満たされず、複数の人からの承認を集めることで、一時的に自己肯定感を高めようとするのです。しかし、これは根本的な解決にはなりません。外部からの承認は一時的な効果しかなく、すぐに「もっと」を求めてしまうからです。
親密さへの恐れ:深い関係からの逃避行動
「誰かと親密になりすぎると、自分が飲み込まれてしまう気がする。だから、関係が深まる前に逃げ出してしまうんです」
これは30代女性のカウンセリングでの発言です。浮気の背景には、しばしば「親密さへの恐れ」があります。
本当の親密さは、お互いの弱さや欠点も含めて受け入れ合う関係です。しかし、これには大きな勇気と自己開示が必要です。自分の弱さをさらけ出すことに恐怖を感じる人、または過去に深い関係で傷ついた経験のある人は、親密な関係が深まる前に新しい関係に逃げることで、この恐れから回避しようとします。
マッチングアプリなどでの出会いは、この点でとても「安全」です。表面的な部分だけを見せ、深い部分は隠したままの関係を続けられるからです。浮気を繰り返す人は、この「浅い関係の安全性」に依存していることが多いのです。
刺激追求型のパーソナリティ
「日常の平凡さが耐えられないんです。新しいことや冒険、リスクに惹かれる性格で…」
これは浮気を繰り返す35歳男性の言葉です。心理学では「刺激追求」という特性が研究されています。これは新奇性や冒険、リスクを好む傾向のことで、この特性が強い人は安定よりも変化を、安全よりも興奮を求める傾向があります。
長期的な関係の安定フェーズでは、刺激や新鮮さは自然と減少していきます。これは関係の成熟の証であり、別の形の深い満足を得られる段階ですが、刺激追求型の人にとっては「退屈」に感じられてしまうのです。
そして、新しい恋愛関係は最も強い「刺激」の一つ。禁断の関係や秘密の逢瀬は、さらに強い興奮をもたらします。こうした刺激を求めて、浮気を繰り返してしまうのです。
マッチングアプリ時代の「浮気の民主化」
従来、浮気は比較的限られた機会の中で行われていました。職場や友人関係など、実生活での接点がなければ、新しい恋愛関係を形成する機会自体が少なかったのです。
しかし、マッチングアプリの登場により、この状況は一変しました。「浮気の民主化」とも呼べる現象が起きています。つまり、誰でも簡単に、そして無数の新しい出会いにアクセスできるようになったのです。
スワイプするだけで始まる出会い
「帰りの電車の中で、何気なくTinderを開いて、右にスワイプしていただけ。それが今の不倫相手との出会いなんです」
スマートフォン一つで、どこにいても、いつでも新しい出会いの可能性が広がっています。かつては「出会いがない」という物理的な障壁が浮気を抑制する一因となっていましたが、その障壁は完全に取り払われたのです。
特にマッチングアプリの設計自体が、「次々と新しい人と出会う」ことを促進するようになっています。「もっといい人がいるかも」という心理を刺激し、常に「次」を探す心理的傾向を強化してしまうことも。
アプリ内での自己演出と現実のギャップ
「マッチングアプリの中では、自分の理想の姿を演じることができる。現実の自分とは違う、『完璧な自分』を見せられるんです」
マッチングアプリ上では、自分を最も魅力的に見せるプロフィールを作成し、理想の自分を演出することができます。この「理想の自分」と「現実の自分」の間にあるギャップが、新たな心理的問題を生み出すことも。
実際のパートナーとの関係では、互いの欠点や日常の煩わしさを含めた「リアルな自分」を見せざるを得ません。しかし、アプリ上の新しい出会いでは、また「理想の自分」を演じることができるのです。この落差が、現実の関係から逃避し、新しい関係を求める動機になることもあります。
バレないという錯覚
「オンラインでの出会いなら、共通の知人もいないし、足がつきにくいと思って…」
マッチングアプリでの出会いは、既存の社会的ネットワークから切り離されていると錯覚されがちです。この「バレない」という思い込みが、浮気のハードルを下げる要因になっています。
しかし実際には、デジタル痕跡は想像以上に残りやすく、SNSの共有知人機能やアルゴリズムの発達により、思わぬところで繋がりが露見することもあります。「バレない」と思って始めた関係が、予想外の形で明るみに出るケースは少なくありません。
浮気癖を治せるのか?変化への道筋
ここまで、浮気を繰り返す人の心理と現代的な背景について掘り下げてきましたが、では、この「癖」は治せるものなのでしょうか?
結論から言えば、「浮気癖」は決して不治の病ではありません。適切な自己認識と具体的な行動変容によって、健全な関係を築くことは可能です。以下に、浮気癖を克服するための道筋を示します。
本人が変わりたい場合:根本的な自己理解から
まず最も重要なのは、浮気行為の根底にある「真の欲求」を理解することです。
「私が浮気を繰り返していたのは、本当は『愛されている』という安心感を求めていたんだと気づきました。でも、新しい恋愛では一時的な高揚感は得られても、本当の安心感は得られなかった…」
元・浮気常習者の女性(37歳)はこう語ります。彼女は心理カウンセリングを受ける中で、自分の行動パターンの背景にある「見捨てられ不安」に気づき、それに向き合うことで変化し始めたそうです。
具体的なステップとしては:
-
浮気行為の引き金となる状況や感情を特定する 「寂しいとき」「パートナーと喧嘩したとき」「仕事でストレスを感じたとき」など、自分がマッチングアプリを開きたくなる瞬間を観察しましょう。
-
その奥にある本当のニーズを探る 表面的な「刺激が欲しい」という欲求の下に、「安心感が欲しい」「自分の価値を確認したい」「親密さから逃げたい」など、より深い心理的ニーズが隠れていることが多いものです。
-
健全な方法でそのニーズを満たす方法を見つける 例えば、「承認欲求」なら、仕事や趣味での達成感、友人関係での充実感など、浮気以外の方法でも満たせる可能性があります。
-
具体的な環境変化を作る マッチングアプリの削除、SNSの使用制限など、誘惑から自分を守る環境を作ることも大切です。
-
必要に応じて専門家のサポートを受ける 深いトラウマや依存の問題がある場合は、心理カウンセラーや精神科医など、専門家のサポートを受けることが効果的です。
「カウンセリングを受け始めて3ヶ月目に、全てのマッチングアプリを削除しました。最初は禁断症状のように不安でしたが、徐々に自分自身と向き合う時間が増え、内側から満たされる感覚が生まれてきたんです」(元・浮気常習者の男性、34歳)
パートナーが浮気を繰り返す場合:冷静な判断と自己保護
一方、パートナーが浮気を繰り返す場合、あなた自身が取るべき選択についても考える必要があります。
「彼の浮気が発覚したとき、『絶対に変わる』と言われました。信じたい気持ちもあったけど、過去にも同じことがあったんです。カウンセラーに『人は変われるけど、あなた自身も守らなきゃダメ』と言われて、覚悟を決めました」(30代女性)
パートナーの浮気に対処する際の重要なポイントは:
-
「変われるかどうか」を冷静に判断する 過去の浮気歴、反省の深さ、具体的な行動変容への意欲など、客観的な事実に基づいて判断することが重要です。感情だけで判断すると、何度も同じパターンを繰り返してしまう可能性があります。
-
「許す/別れる」の決断を早めにする 不確かな状態が長引くと、お互いの心理的ダメージが大きくなります。十分な情報と冷静な判断に基づいて、決断を下すことが大切です。
-
「許す」場合の明確な境界線を設ける 関係を継続する場合でも、「これ以上の浮気は受け入れない」という明確な境界線と、信頼回復のための具体的なステップ(例:カウンセリングを受ける、スマホをオープンにするなど)を設定することが重要です。
-
浮気をネタに支配的な関係を作らない 「お前は浮気したんだから…」という言葉で相手をコントロールするような関係は、長期的には双方を不健全な状態に追い込みます。許すなら本当に許し、新しい関係を築く覚悟が必要です。
-
自分自身の心のケアを優先する パートナーの浮気は、深い信頼の裏切りであり、トラウマになることもあります。自分自身のケア(カウンセリングを受ける、友人に相談する、自分を大切にする時間を作るなど)を最優先することが重要です。
「別れを選んだことで、最初は大きな喪失感がありました。でも1年経った今、あの決断は正しかったと確信しています。自分を大切にすることを学べたからこそ、今の健全な関係を築けているんだと思います」(元・浮気被害者の男性、35歳)
デジタル時代の新しい関係性モデルは可能か?
ここまで「浮気」を前提に話を進めてきましたが、そもそも「一対一の排他的関係」という従来の恋愛モデルそのものが、時代とともに変化している側面もあります。
「私たちは『ポリアモリー』という関係を選びました。お互いに複数のパートナーがいることをオープンにして、誠実さを大切にしています。『浮気』という概念自体を超えた関係ですね」(30代カップル)
「ポリアモリー」(複数愛)や「オープンリレーションシップ」(開かれた関係)など、従来の一対一モデルとは異なる関係性を模索する動きも広がっています。
これらは「浮気の言い訳」とは本質的に異なります。最も重要な違いは「誠実さ」と「同意」の有無です。浮気が「パートナーに秘密で行う背信行為」であるのに対し、これらの新しい関係モデルは「互いの同意と理解の上で」複数の関係を持つことを前提としています。
「最初は友人に『単なる浮気の言い訳でしょ?』と言われました。でも、私たちは関係を始める前に、何ヶ月もかけて話し合い、ルールや境界線を設定しました。むしろ、従来の関係より誠実さと透明性を大切にしていると思います」(ポリアモリー実践者、32歳女性)
こうした新しい関係モデルが万人に合うわけではありませんが、重要なのは「どんな関係性を選ぶにせよ、誠実さと相互の尊重が基盤にあるべき」という点です。秘密の浮気が問題なのは、パートナーの信頼と合意を裏切るからこそなのです。
まとめ:浮気の先にある本当の幸せとは
浮気を繰り返す背景には、承認欲求、恋愛依存、親密さへの恐れなど、様々な心理的要因があります。特に現代では、マッチングアプリやSNSの普及により、「浮気のハードル」が大きく下がっていることも事実です。
しかし、どれだけ新しい関係を追い求めても、根本的な内面の課題に向き合わなければ、本当の満足感は得られないでしょう。外部からの一時的な承認ではなく、自己肯定感を内側から育てること。刺激的な新しさではなく、深まりゆく親密さの価値を見出すこと。こうした内面的な成長が、本当の意味での幸せな関係への鍵となるのではないでしょうか。
「浮気癖が治った今、振り返ると、私が追い求めていたのは『本当の繋がり』だったと思います。皮肉なことに、次々と相手を変えることでは、その繋がりは絶対に得られなかった。今のパートナーとの関係で初めて、『全てを受け入れられている』という安心感を知りました」(元・浮気常習者、42歳男性)
あなたが浮気する側であれ、される側であれ、この記事が少しでも自己理解と健全な関係構築への一助となれば幸いです。恋愛の形は人それぞれですが、誠実さと自己認識を持って選び取った関係こそが、長期的な幸せをもたらすのではないでしょうか。