スマホを開いて「マッチしました!」の通知を見た瞬間のワクワク感。初めてのメッセージを送る緊張感。そして実際に会った時のドキドキ感。マッチングアプリを使ったことがある人なら、このような感情の起伏を経験したことがあるのではないでしょうか。
デジタル時代の恋愛の入り口として定着したマッチングアプリですが、その一方で「マッチングアプリで付き合ったけど、すぐに別れてしまった」という話もよく耳にします。なぜ、マッチングアプリでの出会いは短命に終わることが多いのでしょうか?そして、そんな中でも長続きしているカップルは、どんな秘訣を持っているのでしょうか?
この記事では、マッチングアプリならではの恋愛の特徴を紐解きながら、関係が長続きするためのヒントをお伝えします。あなたの次の恋愛が実りあるものになるための参考になれば幸いです。
マッチングアプリで出会ったカップルがすぐに別れる7つの理由
1. お互いを十分に知らないまま関係が始まる
従来の恋愛と大きく異なるのは、関係性の進展スピードです。職場や学校、友人の紹介などでの出会いでは、恋人になる前に友人や知人として一定期間を過ごすことが一般的でした。その間にお互いの性格や価値観、生活習慣などを自然と知る機会があったのです。
しかし、マッチングアプリでは、メッセージのやり取りと数回のデート(平均3回ほど)だけで交際に発展することが珍しくありません。短い時間で「とりあえず付き合ってみよう」となるため、交際後に「思っていた人と違う」というギャップに直面しやすいのです。
東京在住の28歳女性はこう語ります。「アプリで出会った彼とは2回目のデートで意気投合して付き合うことになったんです。最初は本当に楽しかったんですが、2週間ほど経つと価値観の違いが見えてきて。例えば私は家族との時間を大切にするタイプなのに、彼は『大人なんだから家族と距離を置くべき』という考えだったり。もっとゆっくり時間をかければ、こういった違いに事前に気づけたかもしれません」
2. 遊び目的やヤリモクの存在
残念な現実ですが、マッチングアプリには真剣な出会いを求める人だけでなく、「遊び目的」や「体だけが目的(いわゆるヤリモク)」の利用者も少なくありません。こうした人たちは、交際に発展させても、目的を達成すると態度が急変したり、音信不通になったりすることがあります。
大阪在住の32歳女性はこんな経験をしています。「アプリで知り合った彼とは3回目のデートで付き合うことになりました。最初はとても大事にしてくれて、毎日連絡もくれていたのですが、体の関係を持った途端に連絡頻度が減り、1週間後には『やっぱり気持ちが冷めた』と一方的に別れを告げられました。後から友人に話したら、典型的なヤリモクだったと言われショックでした」
本気か遊びかを見極めるのは容易ではなく、特に恋愛経験が少ない人は見抜くのが難しいかもしれません。
3. 「付き合うこと」自体が目的化する
マッチングアプリを長期間使用していると、「素敵なパートナーを見つける」という本来の目的よりも、「とりあえず誰かと付き合いたい」という気持ちが強くなることがあります。この心理状態では、「付き合う」という目標を達成した途端に満足感を得て、相手への関心が薄れてしまうことがあります。
福岡在住の27歳男性はこう振り返ります。「アプリを半年近く使っていて、なかなかマッチしなかったので、やっと付き合えた時は『やった!』という達成感の方が大きかったかもしれません。でも実際に付き合い始めると『この人と本当に合うのかな?』と冷静になってきて…結局3ヶ月で自然消滅のような形で終わりました」
4. 共通の友人や知人がいない
従来の恋愛の形では、多くの場合、二人の間に共通の友人や知人が存在しました。これは単なる出会いのきっかけだけでなく、関係維持にも重要な役割を果たしていました。喧嘩した時に仲を取り持ってくれたり、客観的なアドバイスをくれたりする存在がいたのです。
一方、マッチングアプリでの出会いは、完全な「赤の他人」同士であることがほとんどです。そのため、関係にひびが入った時に修復が難しく、別れに至りやすい傾向があります。
神奈川在住の30歳女性はこう話します。「彼との間で価値観の違いから喧嘩になった時、誰にも相談できず、二人だけで解決しようとして余計に溝が深まりました。共通の友人がいれば『あの子はそういう言い方をするけど、本当はこういう意味だよ』と仲介してくれたかもしれませんね」
5. アプリを退会せず継続使用する
交際が始まっても、マッチングアプリを退会せず使い続けるケースもあります。これは相手に「まだ他の人を探しているのではないか」という不信感を与え、関係を不安定にする要因となります。
東京在住の34歳男性はこう語ります。「彼女とアプリで知り合って2ヶ月ほど経った頃、友人が『アプリで彼女のプロフィールを見かけたよ』と教えてくれました。確認すると確かにまだ活動していて。『念のため残してある』と言われましたが、心のどこかで『もっといい人が見つかるかも』と思っているのかなと不安になり、徐々に心が離れていきました」
6. 価値観や結婚観のミスマッチ
マッチングアプリでは、プロフィールや短いやり取りで相手を選ぶため、価値観や結婚観といった深い部分のすり合わせが不十分なまま交際に発展することがあります。こうした根本的な不一致は、交際してしばらくすると表面化し、関係の破綻につながります。
大阪在住の35歳女性はこんな経験をしています。「アプリで知り合った彼とは、趣味も合い気も合ったので3ヶ月で同棲を始めました。でも実際に一緒に住んでみると、私は結婚して子どもが欲しいと思っていましたが、彼は『結婚は必要ない』『子どもは欲しくない』という考えだったことが分かり…。もっと付き合う前に深く話し合っておくべきでした」
7. デジタルコミュニケーションからリアルへの移行の難しさ
マッチングアプリでの初期のやり取りは、主にテキストメッセージによるものです。テキストでは上手く会話ができても、実際に会った時のコミュニケーションは別物です。非言語コミュニケーション(表情、しぐさ、間の取り方など)の相性が合わず、関係が長続きしないケースもあります。
神奈川在住の31歳男性はこう振り返ります。「メッセージのやり取りでは本当に話が合って、共通の話題も多くて『運命の人に出会えた』と思ったんです。でも実際に会ってみると、会話のテンポが合わなくて。彼女は考えながらゆっくり話すタイプで、私は思いついたことをどんどん話すタイプだったので、お互いにストレスを感じてしまったんだと思います」
マッチングアプリでの出会いを長続きさせる7つの方法
ここまで、マッチングアプリで出会ったカップルがすぐに別れてしまう理由を見てきました。では、そんな中でも長続きしているカップルは、どのような工夫をしているのでしょうか?
1. 十分な時間をかけて相手を知る
「急がば回れ」ということわざがあるように、最初はゆっくりと時間をかけて相手を知ることが重要です。メッセージのやり取りやデートを重ねる中で、相手の価値観や生活習慣、性格などを徐々に理解していきましょう。
「私たちはアプリで知り合ってから3ヶ月間、毎週デートを重ねてから交際に発展しました」と語るのは、アプリで知り合って3年目になる東京在住の29歳女性。「最初は『付き合いましょう』とは言わず、お互いの考え方や将来の展望について話す時間を大切にしました。その間にお互いの価値観が合うかどうかを確認できたので、交際後のギャップは少なかったと思います」
特に、以下のような重要な価値観については、交際前にある程度すり合わせておくことをおすすめします:
- 結婚観(結婚したいかどうか、時期など)
- 子どもについての考え(欲しいかどうか、教育方針など)
- 家族との関わり方
- 仕事と家庭のバランス
- お金の使い方や考え方
- 生活リズムや習慣
2. アプリを速やかに退会する
交際が始まったら、二人で一緒にアプリを退会することをおすすめします。これには二つの意味があります。一つは相手に対する誠実さの証明、もう一つは自分自身の心を定めるという意味です。
「彼女と交際が決まった日に、二人で一緒にアプリを退会しました」と語るのは、現在婚約中の32歳男性。「それは互いへの信頼の証のようなものでした。また、アプリを残していると、ついつい『もっといい人がいるかも』と比較してしまう気持ちが残るので、潔く退会することで今の関係に集中できたと思います」
ただし、あまりにも早い段階での退会を強要するケースには注意が必要です。相手を束縛するための手段としてアプリ退会を求めるのは健全な関係とは言えません。お互いの信頼関係ができてから、自然な流れで退会するのが望ましいでしょう。
3. 自己開示を通じて信頼関係を築く
関係を深めるためには、段階的な自己開示が重要です。自分の弱みや過去の経験、悩みなどを少しずつ共有することで、互いの理解と信頼が深まります。
「最初は表面的な会話が中心でしたが、徐々にお互いの家族のこと、過去の恋愛での傷ついた経験、将来の不安なども話すようになりました」と語るのは、アプリで知り合って結婚した35歳女性。「特に、彼が自分の弱さや不安も隠さず話してくれたことで、私も素の自分を見せられるようになり、関係が深まったと思います」
自己開示のポイントは、一度にすべてを話すのではなく、関係の進展に合わせて徐々に深い部分を共有していくことです。また、相手の自己開示に対しては、批判せず受け止める姿勢が大切です。
4. 共通の趣味や活動を見つける
二人の間に共通の趣味や活動があると、関係が長続きしやすくなります。共に楽しめる時間があることで、絆が深まり、思い出も増えていきます。
「私たちはアプリのコミュニティ機能で『登山好き』というグループ内でマッチしました」と語るのは、交際3年目の31歳男性。「共通の趣味があることで、自然とデートの内容も決まりますし、一緒に山に登った経験は特別な思い出になっています。困難を乗り越える経験を共有することで、日常生活の小さな問題も乗り越えられる気がします」
アプリで出会う段階から共通の趣味を持つ相手を探すのも一つの方法ですが、交際後に二人で新しい趣味を見つけるのも素敵なアプローチです。
5. 真剣度の高い相手を選ぶ
特に結婚を視野に入れている方は、相手の真剣度を見極めることが重要です。アプリのプロフィールで「結婚希望時期」や「交際ステータス」をチェックすることで、ある程度の真剣度を判断できます。
「婚活目的でアプリを使っていたので、プロフィールで『結婚希望時期:1年以内』と明記している人を中心に探しました」と語るのは、アプリで知り合って1年後に結婚した37歳女性。「また、メッセージのやり取りの中で、自然と将来の話や家族の話ができる人かどうかも重視しました。表面的な会話だけで終始する人は避けるようにしていました」
また、アプリ選びも重要です。Pairs(ペアーズ)やOmiaiなど婚活寄りのアプリと、Tinderなど気軽な出会い寄りのアプリでは、ユーザーの真剣度が異なります。自分の求める関係性に合ったアプリを選ぶことも大切です。
6. 遊び目的の相手を見極める
「遊び目的」や「ヤリモク」の相手を100%見分けるのは難しいですが、いくつかの注意点を知っておくと役立ちます。
遊び目的を見分けるポイント:
- メッセージが表面的で、深い話題を避ける
- すぐに会おうとする(特に夜の時間帯や居酒屋など)
- 自己開示が少なく、質問ばかりしてくる
- 写真が過度に盛られている、または顔がはっきり見えない
- 異性の友人が多いことを強調する
「以前、アプリで知り合った人とすぐに会うことになったのですが、最初のデートから『今度は家で映画でも見ない?』と誘われて警戒しました」と語るのは、東京在住の26歳女性。「その後、友人と飲みに行く約束があると伝えると『その後でも会える?』と夜遅くの時間を提案されて、明らかに体目的だと感じました。結局、丁寧にお断りしました」
遊び目的かどうか見極めるには、複数回のデートを重ね、相手の言動に一貫性があるかを観察することが重要です。
7. コミュニケーションを大切にする
どんな関係でも、良好なコミュニケーションは長続きの鍵です。特にマッチングアプリで出会った場合は、お互いのバックグラウンドや価値観が異なることが多いため、より丁寧なコミュニケーションが求められます。
「私たちは週に一度、『関係チェックデー』と決めて、互いの気持ちや関係についてオープンに話す時間を設けています」と語るのは、アプリで知り合って2年目のカップル。「最初は少し照れくさかったですが、小さな不満や心配事をその都度話し合うことで、大きな問題に発展する前に解決できています」
効果的なコミュニケーションのポイント:
- 「あなたが〜」ではなく「私は〜と感じる」という「I(アイ)メッセージ」を使う
- 相手の話を遮らず、最後まで聞く
- 非言語コミュニケーション(表情やしぐさ)にも注意を払う
- 問題解決だけでなく、日常の小さな喜びも共有する
- 感謝の気持ちを言葉で伝える習慣をつける
実際の体験談:成功と失敗から学ぶ
マッチングアプリでの恋愛は人それぞれです。実際の体験談から、成功のヒントと失敗からの学びを見ていきましょう。
成功例:アプリから結婚へ
30代女性(婚活目的): 「ペアーズで出会った男性と1年交際後、結婚しました。最初からプロフィールで『結婚希望時期:1年以内』を確認し、趣味のコミュニティ(料理好き)でマッチしました。約3ヶ月間のメッセージとデートで価値観の一致を確認してから交際を始め、交際開始と同時にアプリは退会しました。
信頼関係を築くために、徐々に家族の話や将来の目標を共有していきました。共通の趣味(料理と映画鑑賞)を通じて関係を深め、喧嘩も必ず話し合いで解決するようにしています。
成功の秘訣は、時間をかけて相手を見極め、結婚への真剣度が一致していたことだと思います。ただ恋愛感情だけでなく、生活観や価値観の一致を確認できたことが長続きの理由だと感じています」
失敗例:短期間で別れたケース
27歳女性: 「マッチングアプリで知り合った4歳年上の男性とは3ヶ月で別れました。3回目のデートでとても意気投合し、勢いで交際を始めましたが、付き合ってからは彼の態度が少しずつ冷たくなっていきました。
最終的には『好きという感情が錯覚だったかもしれない』と言われ、あっけなく終わりました。振り返ると、私のはっきりした物言いや、時々わがままな部分が彼には合わなかったようです。でも、それは交際前のやり取りでは見えてこなかった部分でした。
今思えば、交際を急ぎすぎたことが原因だったと思います。もっとゆっくり時間をかけて知り合う期間を持っていれば、お互いの普段の姿も見えてきて、合わないと気づけたかもしれません。この経験から、次からは最低でも1ヶ月以上のやり取りをしてから交際を考えようと決めました」
失敗例:遊び目的の相手に騙されたケース
30代女性(婚活中): 「アプリで出会った男性とは、メッセージのやり取りが楽しく、2回のデートも良い雰囲気でした。彼は他の女性との過去の恋愛話や現在の状況なども隠さず話してくれていたので、誠実な人だと思っていました。
しかし、3回目のデート直前で突然音信不通に。LINEは既読無視され、アプリでもブロックされていました。数ヶ月後、別のアプリで同じ男性から「いいね」が来て驚きました。おそらく複数のアプリを使って次々と女性に接触する遊び目的の人だったようです。
この経験から、相手がオープンに見えても、言動に矛盾がないか注意深く観察することの大切さを学びました。また、早い段階での過度な信頼は避け、相手の行動の一貫性を見極めることが重要だと実感しました」
成功例:長続きしているカップル
27歳女性: 「Omiaiで出会った彼とは現在1年の交際を続けています。私は過去に『万年3ヶ月女』と言われるほど短期間で恋愛が終わることが多かったのですが、今回は違います。
成功の理由は、共通の趣味(アウトドア)があったことと、時間をかけてデートを重ねたことだと思います。交際を始める前に2ヶ月間、週に1回のペースでデートを続け、お互いの性格や価値観を知る時間を大切にしました。
また、アプリを退会した後も、定期的にデートの時間を確保し、お互いの家族の話や将来の展望についても少しずつ共有していきました。小さな喧嘩はありますが、その都度きちんと話し合って解決するように心がけています。
以前の恋愛と違うのは、『恋愛感情だけではなく、パートナーとしての相性』を重視したことです。この関係は自然と長続きしている感じがあります」
まとめ:マッチングアプリで長続きする関係のために
マッチングアプリでの出会いが短命に終わる主な理由は、お互いを十分に知らないまま交際を始めることや、遊び目的の相手の存在、価値観のミスマッチなどが挙げられます。しかし、これらの問題を認識し、適切に対応することで、マッチングアプリから始まった関係も十分に長続きさせることが可能です。
長続きさせるためのポイントをおさらいしましょう:
- 十分な時間をかけて相手を知る
- 交際が始まったらアプリを退会する
- 段階的な自己開示で信頼関係を築く
- 共通の趣味や活動を見つける
- 真剣度の高い相手を選ぶ
- 遊び目的の相手を見極める目を養う
- 良好なコミュニケーションを心がける
マッチングアプリはあくまでも出会いのきっかけに過ぎません。その後の関係をどう築いていくかは、あなた自身の手にかかっています。焦らず、誠実に、そして自分自身に正直に向き合いながら、素敵な関係を育んでいってください。
デジタル時代の恋愛は、新しい課題と可能性を同時に持っています。この記事が、あなたの次の恋愛を実りあるものにするための一助となれば幸いです。素敵な出会いと、長く続く幸せな関係があなたに訪れますように。