学生時代、クラスにすごく目立つ女の子たちがいませんでしたか。派手な服装で、見た目からして「普通じゃない」オーラを放っている子たち。私のクラスにも何人かいたんですけれど、当時の私は正直なところ、彼女たちのことを遠目に見ているだけでした。怖いような、でもどこか憧れるような、そんな複雑な気持ちだったんです。
大人になってから気づいたんですけれど、あの頃「派手な子」とひとくくりにしていた彼女たちの中にも、実はいくつかのタイプがあったんですよね。その代表格が、ヤンキーとギャル。一見似ているようで、実は全く違う世界観を持っている彼女たち。
今日は、そんなヤンキーとギャルの違いについて、じっくりと考えていきたいと思います。
まず、ヤンキーとギャルって、どちらも「目立つ」という点では共通していますよね。学校でも街中でも、パッと見ただけで「あ、普通じゃないな」って分かる存在感。でも、その目立ち方が全然違うんです。
ヤンキーの目立ち方は、どちらかというと「近寄りがたい」感じ。威圧感というか、「この子に話しかけたら何か言われそう」みたいな空気がありますよね。一方、ギャルの目立ち方は「華やか」な感じ。「すごい派手だけど、なんか楽しそう」という印象を与えることが多いんです。
この違いって、一体どこから来るんでしょうか。
ファッションを見てみると、その違いが一目瞭然なんです。
ヤンキーの服装って、基本的に色が暗いんですよね。黒、紺、グレー。そういったダークトーンの服が多い。しかも、ブランド物のジャージとか、ゆるめのスウェットとか、楽な服装が中心です。
私の高校時代、隣のクラスにヤンキーグループがいたんですけれど、彼女たちはいつも黒のジャージを着ていました。夏でも冬でも、とにかく黒。そして、そのジャージの下にはTシャツ一枚。すごくシンプルなんです。
でも、よく見ると、そのジャージやスニーカーがめちゃくちゃ高いブランド物だったりするんですよね。一見ラフに見えるけれど、実はこだわりがある。ただし、そのこだわりは「おしゃれ」のためというよりは、「強さ」や「仲間内でのステータス」を示すためのもの。そんな印象を受けました。
一方、ギャルのファッションは真逆です。とにかく明るくて、派手で、華やか。ピンク、白、水色、パステルカラー。キラキラしたアクセサリーもジャラジャラつけて、肌の露出も多い。
夏なんて、ミニスカートにタンクトップ、厚底サンダル。冬でも、短いスカートにニーハイブーツ。見ているだけで「寒くないの?」と心配になるような服装ですよね。
でも、ギャルにとって、それは全く問題じゃないんです。おしゃれのためなら、多少の寒さは我慢する。それがギャルの美学なんですね。
友人に元ギャルの子がいるんですけれど、彼女が面白いことを言っていました。「ギャル時代は、冬でも素足にミニスカートだったけど、全然寒いって思わなかった。むしろ、タイツとか履いたらダサいって思ってたし、寒さより見た目が大事だったんだよね」って。
ファッションに対する姿勢も、全く違います。ヤンキーは、正直なところ、ファッションにそこまで興味がない人が多いんです。決まった服を着て、それで満足。毎日同じような服装でも気にしない。
でもギャルは違う。ファッションが生活の中心といっても過言じゃないくらい、服やメイクに情熱を注いでいます。流行を追いかけて、新しいスタイルに挑戦して、友達と見せ合って。ファッションを通じてコミュニケーションを取っているんですね。
メイクと髪型の違いも、すごく分かりやすいポイントです。
ヤンキーのメイクは、基本的に控えめです。すっぴんに近い子も多いんですよね。ただし、アイメイクだけは別。黒のアイラインをくっきりと引いて、目力を強調する。これは、おしゃれというより、「強そうに見せる」ための工夫なのかもしれません。
髪型も、あまり凝ったアレンジはしません。黒髪のストレート、あるいはポニーテール。シンプルで機能的なスタイルが多いです。ただ、前髪だけは異様に長くて、目が隠れるくらいまで伸ばしている子もいましたね。
一方、ギャルのメイクは、もう芸術の域です。つけまつげを何枚も重ねて、カラコンで目を大きく見せて、チークやハイライトで立体感を出して。一つ一つのパーツを最大限に盛る。それがギャルメイクの基本です。
私の後輩に、高校時代ギャルだった子がいるんですけれど、彼女の話によると、朝のメイクに二時間かけることもあったそうです。「学校に行くまでが大変だった。でも、可愛くなるためなら時間なんて関係ない」と笑っていました。
髪型も、ギャルは本当に凝っていますよね。ブリーチで金髪にして、ハイライトやグラデーションを入れて、巻き髪にして。場合によっては、エクステをつけて長さを出したり、盛り髪にしてボリュームを出したり。
そのために、美容院に頻繁に通う必要があるし、お金もかかる。でも、それもギャルにとっては当たり前のことなんです。「可愛くなるための投資」という感覚なんですね。
性格の違いも、かなり顕著です。
ヤンキーの性格は、一言で言えば「男勝り」。口調が荒くて、「マジで」「ヤバい」「ウゼー」みたいな言葉遣いが多い。一見怖そうに見えるんですけれど、仲間に対してはすごく優しいんですよね。
上下関係を重視するのも、ヤンキーの特徴です。先輩には絶対服従。でも、後輩には面倒見がいい。その代わり、後輩にも同じように上下関係を守ることを求めます。
私が見てきたヤンキーの子たちは、みんな仲間意識がすごく強かったです。一人が何かトラブルに巻き込まれたら、全員で駆けつける。そういう連帯感が、彼女たちの世界では何より大切にされていました。
ある時、クラスメイトがいじめられているのを見たヤンキーグループが、すぐに助けに入ったことがありました。普段は怖いイメージがあったんですけれど、その時は「弱い者いじめは許さない」という正義感の強さを見せてくれて、見直したのを覚えています。
一方、ギャルの性格は「明るくて社交的」。テンションが高くて、いつもキャーキャー騒いでいるイメージがありますよね。でも、実は意外と真面目な一面も持っているんです。
友達との関係を大切にするのは、ヤンキーもギャルも同じなんですけれど、その関係性の作り方が違います。ヤンキーが上下関係を重視するのに対して、ギャルはどちらかというとフラットな関係。みんなで仲良く、楽しく過ごすことを重視します。
元ギャルの友人が教えてくれたんですけれど、ギャルの世界では「ノリ」がすごく大事なんだそうです。みんなでプリクラを撮りに行ったり、カラオケに行ったり、買い物に行ったり。とにかく一緒にいて楽しい時間を過ごすことが、友情の証なんですね。
でも、見た目とは裏腹に、勉強や仕事はちゃんとやる子も多いんです。「遊ぶ時は全力で遊ぶ。やる時はやる」というメリハリがある。これも、ギャルの意外な一面だと思います。
恋愛における違いも、興味深いポイントです。
ヤンキーの恋愛は、どちらかというと一途です。一度付き合ったら、とことん相手を大切にする。でも、その分、束縛も強いかもしれません。「俺の女」「あたしの男」という感覚が強くて、相手が他の異性と話しているだけで嫉妬することも。
ヤンキーの彼女を持った男性の体験談を聞いたことがあります。彼は最初、彼女の強い性格に惹かれたそうです。自分を守ってくれる強さ、仲間を大切にする優しさ。そういう部分に魅力を感じたんだって。
でも、付き合ってみると、その強さに圧倒されることもあったそうです。彼女が怒った時の迫力は半端じゃないし、自分の意見を貫き通す頑固さもある。時には、「もっと女の子らしくしてほしい」と思うこともあったんだとか。
それでも、彼女の一途さや、困難に立ち向かう強さには、いつも感銘を受けていたと言っていました。「彼女がいたから、俺も成長できた」という言葉が印象的でした。
一方、ギャルの恋愛は、もう少しオープンな感じがします。もちろん、恋人を大切にすることに変わりはないんですけれど、友達との時間も同じくらい大切にする。だから、彼氏がいても、友達との予定を優先することもあるんです。
ある大学生の体験談が面白かったです。彼は夏休みに海でギャルと出会って、交際を始めたそうです。普段は控えめな性格の彼が、ギャルの明るさや社交性に惹かれたんですね。
最初は、その明るさや積極性が新鮮で楽しかったそうです。彼女が友達を紹介してくれて、交友関係が一気に広がった。いつも笑顔で、ポジティブで、一緒にいると元気になれる。そんな彼女との時間が、すごく充実していたんだって。
でも、次第に戸惑いも感じ始めました。彼女の友達付き合いが想像以上に濃くて、週末はほとんど友達と過ごしている。デートの予定を入れようとしても、「その日は友達と予定あるから無理」と言われることが多かったそうです。
それに、彼女の友達グループがすごくオープンで、男女の区別なくワイワイ騒いでいる。彼氏がいても、普通に他の男性と話すし、遊びに行く。彼にとっては、それが少し理解できなくて、時々不安になったといいます。
「自分が狭い世界で生きてきたんだなって気づかされた。彼女の世界は、自分が思っている以上に広くて、自由だった」と、彼は振り返っていました。
ヤンキーとギャル、どちらが恋人として良いかなんて、一概には言えません。それは、相手との相性や、自分がどんな関係を求めているかによって変わってきます。
でも、一つ言えるのは、どちらも「普通じゃない」ということ。良い意味でも悪い意味でも、型にはまらない生き方をしています。だから、付き合うなら、それなりの覚悟が必要なのかもしれませんね。
ヤンキーとギャルの共通点についても考えてみましょう。
まず、どちらも「目立ちたい」という欲求が強いということ。普通の人と同じような生き方はしたくない。自分らしさを表現したい。そんな思いが、ファッションや言動に表れているんです。
それから、どちらも「仲間を大切にする」という価値観を持っています。ただし、その表現の仕方が違う。ヤンキーは上下関係を重視した義理人情の世界。ギャルはフラットで明るい友情の世界。形は違えど、友達を大切にするという気持ちは同じなんですね。
もう一つの共通点は、「見た目で判断されることが多い」ということ。ヤンキーもギャルも、その派手な見た目から、「頭が悪い」「ヤンキーだ」「チャラい」といったレッテルを貼られがちです。
でも、実際に話してみると、意外としっかりしている子も多いんです。見た目と中身のギャップに驚かされることも少なくありません。
私の知り合いに、元ギャルで今は看護師をしている人がいます。高校時代はゴリゴリのギャルだったそうですが、勉強は真面目にやっていて、看護学校に進学。今では立派な看護師として働いています。
「高校時代は派手にしてたけど、やるべきことはちゃんとやってた。ギャルだからって、バカだと思われるのが一番嫌だったから」と彼女は言っていました。
見た目で人を判断してはいけない。これは、ヤンキーやギャルに限った話ではありませんが、特に彼女たちを見ていると、その言葉の重みを感じます。
現代におけるヤンキーとギャルの変化についても触れておきたいと思います。
実は、昔ながらのヤンキーやギャルって、最近は減ってきているんですよね。2000年代から2010年代前半くらいまでは、渋谷や原宿に行けば、いかにもなギャルがたくさんいました。でも今は、そういう子たちをあまり見かけなくなりました。
ギャルファッションも、だいぶマイルドになってきています。昔のような「ガングロ」や「ヤマンバ」といった極端なスタイルは、ほとんど見なくなりました。今のギャルは、どちらかというと「可愛い系」にシフトしていて、肌も白く、メイクも控えめになっています。
ヤンキーも同じです。昔のような、長いスカートや派手な制服の着こなしをしている子は、ほとんどいません。もちろん、地域によっては残っているかもしれませんが、全体的には減少傾向にあります。
これは、社会の変化と関係しているのかもしれません。SNSの普及で、さまざまな価値観に触れる機会が増えた。多様性が認められるようになった。そんな中で、極端な見た目をしなくても、自分らしさを表現できる方法が増えてきたんですね。
でも、ヤンキーやギャルの精神は、形を変えて今も残っているような気がします。「自分らしくいたい」「仲間を大切にしたい」「目立ちたい」という思い。それは、時代が変わっても変わらない、若者の普遍的な欲求なのかもしれません。